肘の変形(外反肘・過伸展)や手のシビレ。 ゴルファー渋野日向子選手を見て。

目次

(1)まえがき

(2)用語の解説

(2)-1 外反肘(valgus)

(2)-2 肘関節過伸展(反張肘。hyperextension)

(3)症状・傾向

(4)注意点

(5)施術・リハビリ

 

(1)まえがき

昨年、ゴルファー 渋野日向子選手が全英オープンで優勝されました。 そのガッツポーズを見てから、この肘の変形の患者さんが なぜが気になっています。

(※ブログ用投稿)https://www.yomiuri.co.jp/sports/golf/20190805-OYT1T50117/↓ 投稿はこちらへ ↓http://kamitanisekkotu.com/2020/04/27/post-4365/

宝塚市 かみたに接骨院(整骨院)さんの投稿 2020年4月26日日曜日

渋野日向子選手の場合、一般の方から見ても 明らかに肘の変形があることがわかると思います。

傷病名としては 以下が該当します。

● 外反肘(valgus)
● 肘関節過伸展(反張肘。hyperextension)
● 猿腕(※俗称?)

後述のとおり 「外反肘」と「肘関節過伸展」は変形の方向が異なりますが、私の経験では ほとんどの人が この二つを併発しています。(※過去の骨折や ピッチング動作による over use などの場合を除きます)

「猿腕」はネットで調べましたが、明確な定義がみつかりませんでした。

※注記

● 渋野日向子選手を例に挙げましたが 悪意が無いことをご理解ください。

● 上述のように、成長期における野球のピッチング動作の over use (オーバーユース)などにより、本投稿のような肘の変形・症状が出ます。 原因・経緯は異なりますが、同様のリハビリで改善されています。

● 肘の変形が著しい場合は 手術の適用となります。 本投稿では 手術適用ほどではない範疇につき述べます。

 

(2)用語の解説

 

(2)-1 外反肘(valgus)

コトバンク:ブリタニカ国際大百科事典より
腕を伸ばして体の両側につけたとき,肘のところで上腕軸と前腕軸とが一直線にならないで,前腕が外方に開いて角度をなすものをいう。人間の肘には生理的に5~12度程度の外反があるが,それ以上になると病的と考えられる。

時事メディカル 家庭の医学より
生理的外反は「10~15°程度」

私見ですが、生理的外反(carrying angle、運搬角、肘角)12度以上が病的とありますが、15度以上の人も けっこう存在すると感じます。

そして、生理的外反は男性より女性の方が少し大きい傾向があります。

生理的外反の男女差(平均)
男子8.4deg、女子10.4deg。
【 ただし、レントゲン画像による 上腕骨~尺骨間の外反角度(※上述の「上腕軸~前腕軸」間 角度と定義が同じかどうか不明)。 出典…「上腕骨遠位端骨折後の内、外反肘形成に関する臨床的研究」(金沢大学医学部整形外科学講座.1976)】

別なサイトでは、男子10deg、女子15deg という説明もあります。

◆ 原因

● 上腕骨の骨折(顆上、外顆、小頭)
● 橈骨頭骨折・脱臼
● くる病
(出典 … コトバンク:ブリタニカ国際大百科事典。 時事メディカル 家庭の医学

この提示されている原因に対して疑問があります。

渋野日向子選手の場合 左肘の変形が少し大きいですが、右側も生理的範囲を超える変形があります。
臨床においても、少しの左右差がありますが、有意な変形がある人は 渋野日向子選手と同様に左右両側に現れます。

該当する人が全て、幼少期に両腕 共に 骨折したり脱臼したと考えるのは無理があると思います。(くる病は除きます)
想像でしかありませんが、成長期の運動習慣や、先天的な特性があるように感じます。

↓ 余談ですが、以前のブログで書いた「先天性関節弛緩」に似た特性を感じます。

 

(2)-2 肘関節過伸展(反張肘。hyperextension)

過伸展
膝関節や肘関節を伸ばす(伸展する)時、通常はまっすぐな状態(完全伸展位)までしか伸びないが、外傷や麻痺(ポリオなど)を伴う場合に、その位置を越えて、さらに伸びた状態をいう。
(出典…関節ライフ

 

(3) 症状・傾向

● 神経麻痺(出典 … 時事メディカル 家庭の医学
肘の内側にある尺骨神経がひじを曲げると伸ばされるため、数年から数十年経過して徐々に麻痺が出現する、遅発性尺骨神経麻痺となりやすいことが知られています。

当店では 次のような症状が多いです。

● 肘の内側が痛い。
● 指全体がシビレる。 または 親指と人差し指の間が痛む。
● 握力低下。ペットボトルのキャップを開けにくい。

傾向は次のとおりです。

● 年齢
上述のように スポーツで酷使する場合を除き、若い人は 痛みなどの症状が出るのは稀であり、50歳前後から発症する人が多いようです。
前述の「遅発性」の定義どおりです。
● 発症の発端
日頃 重い物を持たない生活だと、進行していても 気づきにくいと考えます。
患者さんも、「ある日 お米を持ち上げた時」「肉体労働に変わった日から」ということがほとんどです。
● 男女差
女性に多いですが、男性でも症状が出る人がおられます。

 

(4) 注意点

この傷害の注意すべきことは、握力などの筋力が低下してゆくことにあります。
いつしか、ペットボトルのキャップや瓶詰のフタを開けることができなくなったり、手提げ袋を持つことができなくなったり、会計の際に硬貨をつまむことが困難になったりする方がおられました。

 

(5) 施術・リハビリ

若い人を除き、変形自体は なかなか治らないですが、痛み・シビレを取り除き、筋力を回復することができます。

● 首から肩・肘・手にかけて 神経伝達を改善する手技やストレッチをします。
● 必要に応じて、肩、肘、手根骨などの矯正をしたり矯正運動をします。(痛くはありません)
● 肘が外反・過伸展するのを抑制する筋トレーニングをします。

 

◆ 追記 … 競泳 池江璃花子 選手(2020.05)

競泳の池江璃花子選手も 左肘の変形が大きいです。
右肘の変形も少しありますが。

水をかく時、手・指の筋肉が 疲れ易いとか、違和感とか あるかもしれません。

ガンに負けないで欲しいですね~

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